社内向けにChatGPTを利用した人事労務支援ボットを開発し、公開をしたのでその紹介記事です。
人事労務支援ボットの紹介
人事労務支援ボットは、社内のSlackで休暇規定や賃金規定などの人事労務に関連する質問に自動で答えることができます。
ユーザーがボットにメンションで質問をすると、ボットはスレッド内で返信を行います。返信の速度は、質問の内容によって異なりますが、約10秒です。
開発の背景
HapInSでは、社内の規定などをドキュメント化する取り組みを進めており、その中には休暇制度や賃金規定などの人事労務に関する情報も含まれています。しかし、従業員はSlackを通じて、直接人事労務担当者に社内ドキュメントに書いてある内容を質問をすることがあり、人事労務担当者にとって少なくない負担となっています。
今回、開発したボットはこの負担を軽減するためのものです。
社内公開までの流れ
プロジェクトの開始からボットの社内公開までの流れを紹介します。
機能検討
以下の手順で、チャットボットの機能を検討しました。
ユースケースの洗い出し
実際にあった人事労務担当者とのやり取りをユースケースとして洗い出しました。
例として以下のような質問がありました。
- 経費に関すること
- 休暇に関すること
- 健康診断に関すること
機能検討
ユースケースを基に、チャットボットに組み込むべき機能を検討しました。主な目的は、人事労務担当者の負担を軽減することであり、以下の機能のような決定しました。
1. 社内ドキュメントに記載されている情報については、チャットボットが回答する
2. チャットボットの回答をユーザーが評価をし、必要に応じて人事労務担当者が回答、チャットボットの精度向上につなげる
これにより、チャットボットを活用して人事労務担当者の業務負荷を軽減することができると判断しました。
システムの流れは以下のようになります。
開発
開発は下記のような手順で行いました。
1. オウム返しをするチャットボットをPythonで作成
2. ChatGPTに質問するプロンプトを作成
例えば、下記のようなプロンプトをChatGPTに質問すると、「賞与は原則として毎年2月及び8月の会社が定める日に支給されます。」と返事がきます。
3. ChatGPT向けに社内情報のデータベースを作成
4. 1.2.3.を組み合わせてチャットボットの完成
5. AWSで社内公開
公開を優先したため、チャットボットの回答の評価機能はまだ実装されていません。
おわりに
開発において、一番大変だった部分はプロンプトの作成です。ChatGPTはかなり賢いため、プロンプトを適切に調整することでユーザーの望んだ回答を提供してくれます。
この開発経験から、「ChatGPT×社内情報」で社内DXとして業務の効率化を図れると感じました。(もちろん、機密情報や正確性について考慮するなどの課題があります...)
みなさんも、ChatGPTを活用して業務の効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか?
実際に、どのような技術やロジックでチャットボットを作成したのかの詳細は次回お話したいと思います。