はじめに
こんにちは、山本です。みなさんはGPUが搭載された仮想マシンを動かすとき、どのような環境を利用していますか。AWSのような大手クラウドサービスを使うと少なくないお金がかかってしまいます。本記事ではAWSよりも安くGPUを利用できるLambda GPU Cloudを紹介します。
ちなみに、GoogleでLambdaと検索するとAWSのサーバレスサービスがヒットしますが、これとは別物です。
Lambda GPU Cloudとは
Lambda GPU Cloudは深層学習の会社であるLambda Labsが提供する機械学習向けのクラウドサービスです。
公式TwitterによるとNVIDIA A100はAWSの約4分の1の料金で利用することができます。
料金表を見るとNVIDIA A100は一時間あたり1.1ドル、NVIDIA Quadro RTX 6000は一時間あたり0.5ドルです。格安ですね。
Lambda GPU Cloudを使う
それでは、さっそくLambda GPU Cloudを使ってみたいと思います。
Lambda GPU Cloudは頻繁にアップデートされています。この情報は2023/2/5時点での情報ということを留意してください。
まず、メールアドレスで会員登録とクレジットカードを登録します。
次に、ホーム画面からLaunch instanceを押下します。
インスタンスを選択します。今回はA10を選択します。一時間で0.6ドルです。
リージョンはどこでもよいと思います。というか、今は選択肢がない…
アタッチするファイルシステムを選択します。ファイルシステムを選択しないとインスタンスの削除時にデータが消えます。インスタンスによってはファイルシステムにアタッチできないです。このインスタンスもできません。
SSHキーを選択します。ない場合はAdd SSH keyから作成してください。
同意するとインスタンスが起動します。
インスタンスが起動中です。1分ほどかかります。
インスタンスの起動が完了すると、STATUSがRunningとなり、接続できるようになります。
さっそくSSHで接続してみましょう。
コマンドプロンプトを開いて、
ssh ubuntu@[IPアドレス] -i [SSHキーのパス]
と入力します。
接続できましたね。
次にインスタンスの削除を行います。インスタンスを削除しないまま、放置するとインスタンス代としてものすごい額が請求されます。
削除するインスタンスを選択し、Terminateを押下します。
テキストボックスに「erase data on instance」と入力しOKを押下します。
インスタンスが削除されましたね。お疲れさまでした。
インスタンスについて
このインスタンスは深層学習用であり、デフォルトでdockerやpython、pytorch、gitがインストールされています。そのため、インスタンスへのライブラリのインストールの手間は省けます。
ファイルシステムにアタッチしていないインスタンスは終了時にデータが消えてしまうので、インスタンスの起動時にdockerのコンテナを立ち上げ、インスタンスの終了時にはコンテナをプッシュするという使い方が良いと思います。ファイルシステムにアタッチでき価格も安いインスタンスのNVIDIA Quadro RTX 6000を使いたいのですが、他の方が利用しているためか、利用できないことが多いです。
おわりに
Lambda GPU Cloudのインスタンスの立ち上げ方を紹介しましたが、いかがでしたか?AWSでインスタンスの立ち上げを経験した方ならすぐに内容を呑み込めたと思います。読者がこのインスタンスを使って、データ分析や深層学習を行う一助になれば幸いです。私はこのインスタンスでお絵描きAIのstable-diffusion-web-uiを動かしました。
余談ですが、「データ分析や深層学習をするのならColaboratoryでよいのではないか」という意見があると思います。Colaboratoryは無料であり、使いやすいのでその通りだと思います。しかし、Colaboratoryには特殊なお作法や、時間制限があり、ヘビーユーザーにとっては少し不便さを感じます。また、Dockerが使えないです。それと比較し、GPUインスタンスの場合、自由度が格段に高いです。用途に応じて、Colaboratoryを使うかGPUインスタンスにするかを決めればよいですが、たいていの場合はNVIDIA A100が使えるColaboratory Pro+で間に合うと思います。