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英語ができると本当に「トク」なのか

ずいぶん昔から、日本人は英語ができなければいけないと言われ続けている気がします

しかし、その割にこれまで「英語が出来てよかった!」という話をあまり聞きません。
そこで今回は、筆者の個人的経験から英語スキルが役に立ったシーンを紹介し、実践に伴う習熟度の目安を紹介することで、読者の英語学習のモチベーション向上に貢献できればと思います。

異文化コミュニケーション

上司が英語話者

筆者は述べ4年ほど外資系企業にいたことがあるのですが、外資は立場が上がるほど英語が共通語になっていくので、初対面の上司とはとりあえず英語で話すことになります。
また、何かの失敗をしたときは、素早く的確に要点をまとめて報告することが必要ですよね。
この段階では、一日の業務の報告やちょっとした指示の確認の際に意味のわからないことを書かないこと、挨拶やちょっとした雑談ができれば十分です。
少しできていれば、ちゃんとした人だと思われて少しトクをします。

部長が英語話者

仕事にしっかり取り組んでいると、さらに立場が上の裁量権を持つ人間に承認を求めたり、説明を行わなければならない状況が出てきます。
高い職位の人が出てくるということはそれだけ重要な要件という意味で、丁寧でなくても許されますが無駄は許されません。
この場合は、相手の説明を自分の言葉で整理して確認し、自分は一文一意の短文で筋道に沿って話せば、結果的にコミュニケーションの齟齬が少なくなり、少ない時間で意思決定ができる事が多いです。
ここでも膨大な時間をかけて流暢な英語を習得し、聖書やシェイクスピアの引用に対応できるようになる必要はありません。
あまりに語彙が豊富だと逆にそれが枷になることが多いからで、ここではシンプルな文を論理的に組み立てていく訓練に集中すると良いです。
普通にできていれば、話がわかる人だと思われてトクをします。

顧客や幹部が英語話者

交渉や議論やスピーチにおいて、日本語が母語の人は特に話し方の影響で発言に迫力が出ない場合が多く、その結果仮に能力や意思疎通に問題がなかったとしても「便利ないい子」として扱われがちです。
若いうちならまだしも、そこそこの期間社会人をやってる人間が便利扱いをされては、様々な不利が自分の周囲にも波及することでしょう。
筋トレやはっきり喋る以外の対策としては「数字とロジックの話に持っていく」「冷静で建設的な議論を行いたい旨を強調する」「事あるごとに共通の目標を思い起こさせる」あたりが王道かと思います。
また一種のトリックとして、「議論の最中に英語で説明しながら暗算を披露する」とか「映画やドラマなどで誰もが知っているエピソードを引用する」なども効果があるでしょう。
ここですら引用元は教養っぽい教養である必要はなく、ゲーム・オブ・スローンズスター・ウォーズのほうがウケが良いような気がします。

流暢に喋れると、面白い人だと思われてたくさんトクをする、という状況ですね。
またそれ以上に、致命的な損の回避率を自分で上げられるのはプライスレスな価値があると思います。

今後のために

ここまで読み進めてくださった方ならお気づきの通り、上記のどれも英語「だけ」では成立しません。
英語というスキルは、外国語話者との接点で、業務設計や論理的思考など、さまざまな他の単体で成立可能なスキルとの掛け算で効いてくるものだと言えるでしょう。
ただし、もし仮に国内経済がさらに縮小し、日本のどこの会社も自分から外貨を求める状況になれば、英語スキルはただの前提となってしまいます。

ことさらに悲観するわけではないですが、急速に日本語を話す人口が減っている現在の状況下では、英語の習得は損得以前に「備え」と捉えておいたほうが良いのかもしれません。
若々しさを失ってから新しい事を始めるのは非常に大変です、学べる状況があるうちに、一緒に備えていきましょう。