リモートワークのコミュニケーションって、なんで難しく感じるんでしょう?
「表情が見えない」「ちょっとした質問を聞きづらい」「相手が何やってるかわからない」色々ありますよね?
リモートで仕事をしていると、普段のオフィスでのコミュニケーションとは根本的にやり方を変えなければならない事を、多くの人が実感しているのではないかと思います。
かく言う筆者もリモートで実際に仕事を進められるようになったのは直近の案件からで、過去には役割分担やタスクが曖昧になってしまったり、やろうと合意したはずの事がいつの間にか放置されていたり、見当違いの作業に労力を割いてしまうなどの失敗がありました。
そこで、今回はリモートワークにおける仕事の、ちょっとしたノウハウを共有してみたいと思います。
大丈夫、あなたも慣れていないけど、あなたの上司はもっと慣れていません。積極的に助けてあげましょう。
まず何よりも先に、コミュニケーションのコストを下げる
それでは、リモートで仕事をする際に適したツールと状況を表にしてみましょう。
縦軸が「判断・承認の有無」横軸が「緊急性の高低」です。
使用ツールは「電話」「チャット」「タスク管理ツール(筆者の場合はAsana)」「ウェブ会議」です
例えば技術的トラブルで顧客からクレームが来ているが、対処が比較的大掛かりになる、のようなケースだと 「判断・承認有」「緊急性高」となります。
ここではチャットや電話で一次対応を行った旨を告げ、証跡としてメールや対応内容のメモを共有し、 緊急ミーティングを開いて対応を検討する、のような流れになると思います。
対応内容が決まればタスクを切って上司が閲覧可能な状態にしておけば、進捗を共有できて安心ですね。また、クレームは来ていないものの原因不明の技術的トラブルが発生している兆候を見つけた場合などは 「判断・承認有」「緊急性低」となります。
ここでは想定している対策をいくつか提示して、Aの場合こういう承認が必要で、問題が起こるとしたら何々の場合、Bの場合はこう、Cの場合は〜のように、それぞれの見通しを共有するのが良いでしょう。
なるべくYES/NOや選択肢で質問を投げるのがベターですし、それが難しい場合はざっくりとした背景の説明と一緒にタスクと自分の判断基準を共有しましょう。親切な上司なら、次のアクションを一緒に考えてくれるはずです。「判断・承認無」「緊急性高」の場合
これは自分が自動化したタスクがコケたとか、コンソールが管理情報を拾ってないなどのケースですね。
これはタスク管理ツールかチャットのどちらかで、何をやっているかと作業完了時間の見込みを一応共有しておき、終わったら報告で十分でしょう。最後に「判断・承認無」「緊急性低」の場合
ここはぼちぼちと作業の自動化や顧客対応のテンプレート化、ノウハウ共有のための作業手順書を書くことを進めていけば良いでしょう。
ここでやることは、予測される「判断・承認有」「緊急性高」のタスクから、可能な限り緊急性を取り除き、判断承認を不要にすることです。
後述のウィークリーミーティングもタスクとしてはここに含まれます。
作業背景を共有し、具体的な内容は日報で報告しておけば十分でしょう。
なんとなく、できそうな気がしてきませんか?ところが、それでも問題が生じます。
なぜなら、細かい技術的な質問や一応の確認をしてよいかどうかを判断する際に、上司の忙しさ度合いをあくまで予測に頼るしか無いからです。
コミュニケーションに関する意識を切り替える
上司の忙しさ度合いがわからないなら「気にしない」しかありません。様子を伺ってても始まらないので、本当に必要なら連絡をするしかないです。忙しさの予測も、上司の予定をGoogleカレンダーなどで覗き見るのが限界でしょう。
とはいえ例えば極端な話、緊急でも重要でも無いことで急ぎの電話をかけるとダメですよね?
問題は自分が重要だと思って連絡したことを、上司も重要だと思っているかです。
そこで、頻繁な連絡をする代わりに、週一回程度はその週に自分が行ったタスクの重要度や緊急度の判断のすり合わせをするミーティングを開いてもらいます。
その際に自分と上司で判断が異なる場合があれば、それが最も重要な情報なので、どんどん深堀りして聞いていくのが良いと思います。
場合によっては、重要度の判定基準に関する議論や自分の意見の展開に付き合ってもらいましょう。
また、このミーティングで質問することを目標に、技術的な不明点は調べられるだけ調べておくと良いです。
判断基準を正確に共有できれば、自分の意思で判断をしたり、重要そうな仕事を見つけて着手することもでき、上司も管理の手間を省けます。
そうなると仕事が楽しいですよね?
これは、これまでの対面コミュニケーションでは、なんとなくの空気や上司の反応で「察して」いたことですが、これを限られた時間に圧縮し、言語化する意識を持つことが、仕事をする上での圧倒的な成長に繋がると実感しています。
最後に
共時的なコミュニケーションの貴重さを理解し、Web会議はあくまで緊急時と俯瞰的な議論の場と心得れば、それ以外のコミュニケーションはツールに頼れるので、結果的に全体の生産性は向上します。
リモートワークは単にオフィスから離れて作業するのみならず「仕事とは何ぞや」という重要な問いを含んだ試みです。
産業革命以来、労働の管理は工場の労働者の出来高や歩留まりを管理する方法論から大きく進歩していません。
この機会を逃さずにノウハウを蓄積し、自分と自分の周囲の生産性を最大化していきましょう!